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第三部 要約
CO中毒後遺症の30年間の長期経過についいて述べます。
急性期三、四ヵ月から七、八ヵ月、私の言う遷延後期を過ぎると慢性期に入り所謂一酸化炭素後遺症となります。神経心理学的な大脳高次機能である失行、失認と同等かそれより頻度の多い症状の記銘力障害の健忘症候群や意欲障害、人格障害です。その多くは頭頂・後頭葉症状です。
この時期になると此れ等の症状は動揺が無く比較的安定して来ます。
10年後から20年後にかけては私共の観察し得た平均年令36歳の被災者の症状は通常更にゆっくりとした軽快傾向を認めます。この時期の「軽快はリハ学習に依る」ものと思われます。つまりこの時期には「大脳症状は日常性生活の中で良く代償され軽快」して来ます。
更にその後の20年後から30年後に掛けては平均年令が 56歳を過ぎますので,多くの症例で軽快していた後遺症はゆっくり「再び悪化」してきます。この「56歳過ぎの悪化」は加齢に依るものと思われます。
重症例を除いて急性期の遷延後期の症状の程度(四ヵ月後)を超えて悪化する事はありません。遷延後期の症状を超えてこの時期に悪化するような症例は一酸化炭素中毒以外の病気の出現によります。例えば高血圧によるラクナ梗塞の存在や老年痴呆などの病気になった事を示します。また高血圧が急性一酸化炭素後遺症と関係ない事は我々の病院に長期入院している患者さんでは高血圧の頻度が年余の経過で増加はしていないくて、中毒後遺症の症状程度とも関係が無いと言う研究調査から言えることです。
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