独立行政法人 労働者福祉機構
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第一部

第一部 要約
I はじめに
 頻度
 物理化学的性質
 中毒発生の機序
 病態生理
II 臨床症状
 急性期の臨床症状(初期、主徴期)
  慢性期の臨床症状(主徴期から後期)
  意識障害の持続時間と後遺症の関係
 臨床症状による経過の違い
 後期(Bumke u. Krapf)の臨床症状
  遷延初期 通過症候群:失見当識健忘症候群
  遷延後期 後遺症の頻度

第二部

第二部 要約
III 遷延後期(後遺症):大脳皮質・神経心理症状
 先行失認の臨床類型:象徴型と視覚型
 実際の症例提示
 (1)象徴型
 (2)視覚型
 (3)重症び漫性型

第三部

第三部 要約
IV 経過
 初期から10年以後20年間まで
 長期経過10から30年後まで
V まとめ

実際の症例提示 (1)象徴型の症例

象徴型の症例を示します。

第1例

 M氏は被災時年齢は37才、意識障害は8日間で、後遺症には右同名半盲、知能低下、軽度の語健忘に、ゲルストマン症候群に語健忘、観念失行・観念運動失行が見られました。やや多幸的な人格障害も見られます。

頭足人の人物画です。

 お茶を入れて飲むように指示しました。
 最初茶の入っていない空の急須から水を注ぐ仕種をして、その何も入っていない空のカップを飲んでみて、失敗に気づきました。そこで今度は茶筒からその茶筒の蓋に茶を入れて、湯を注ぎ、そのまま、その蓋から茶の葉と共に飲んでしまいました。
 本例の20年後に撮られたCT画像です。両側頭頂葉、左側頭葉の低吸収域がみられます。

第2の例

 I氏は被災時年齢は24才、意識障害は14日間で、遷延初期は強い精神障害がみられました。最初の症例同様に語健忘、ゲルストマン症候群に失行がみられます。

人物画は典型的な頭足人です。

 煙草をのむ喫煙動作では、煙草とマッチを取り上げ、煙草をマッチで擦ってしまい、煙草は折れてしまいました。
 しかしこのテストの後で、この患者さんは待合い室でほっとしてか自らポケットから出した煙草をプカプカとふかしていたのには驚きました。
このようにテスト場面でのみ障害が見られ、日常生活動作では異常が目立ちません。
図形の視覚的な模写と触覚認知による描画です。

手本 視覚認知 触覚認知
模 写 手で触れて描く

触覚認知に困難が見られます。

この例の最近撮られたMRIT2WI画像です。左側に強い両側の頭頂葉の病巣がみられます。


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