独立行政法人 労働者福祉機構
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第一部

第一部 要約
I はじめに
 頻度
 物理化学的性質
 中毒発生の機序
 病態生理
II 臨床症状
 急性期の臨床症状(初期、主徴期)
  慢性期の臨床症状(主徴期から後期)
  意識障害の持続時間と後遺症の関係
 臨床症状による経過の違い
 後期(Bumke u. Krapf)の臨床症状
  遷延初期 通過症候群:失見当識健忘症候群
  遷延後期 後遺症の頻度

第二部

第二部 要約
III 遷延後期(後遺症):大脳皮質・神経心理症状
 先行失認の臨床類型:象徴型と視覚型
 実際の症例提示
 (1)象徴型
 (2)視覚型
 (3)重症び漫性型

第三部

第三部 要約
IV 経過
 初期から10年以後20年間まで
 長期経過10から30年後まで
V まとめ

失行失認の臨床類型

 「象徴型」と「視覚型」の分類は図形模写が出来るか否かで分類されました。

象 徴 型             視 覚 型

「象徴型」の自発画は稚拙で図形には記憶の障害が見られます。人形図では人形図の自発画で身体のイメージが崩れ、胴体が乏しく頭から直接手足が出るいわゆる幼児の描く頭足人の特徴が見られます、図形模写は殆ど正常です。
 これに反して視覚型は図形模写が自発画に比して改善されません。しかし人物画に見る如く身体イメージは保たれ、障害の主体は幾何空間的な位置のズレに過ぎず視覚像の記憶障害は目立ちません。
 象徴型と視覚型の書字を示します。

象徴型の書字            視覚型の書字

 左の視覚型では同様な空間的な障害で位置のズレや省略、回転など主として模写に見られます。
 右の象徴型では同じく構成失書を呈しますが記憶の障害が見られ、見た事のない字となり、字画には省略よりも付加された部分が目立ちます。
 計算障害も象徴型では桁の誤りが目立ち、暗算も出来ませんが、視覚型では筆算は視空間障害の為に計算は成功出来ませんが暗算は良く保たれています。

象徴型の計算    視覚型の計算

 象徴型と視覚型の計算障害を暗算と筆算に分けて経過を見たものです。象徴型は両者は平行して障害されますが視覚型では暗算の方が良好です。人物画です。象徴型は記憶障害で、視覚型は視覚型特有な空間的な位置のズレが見られます。

同様に象徴型の手の自発画です。

A) 24ヶ月後  B) 20ヶ月後

 指がバラバラに描かれて居て、掌がありません。同じく象徴型の自宅の間取りとその説明図です。

自宅間取り

 道路周りに部屋がバラバラに描かれ、東西南北の説明も誤っています。

象徴型の家の描画

 象徴型の家の自発画とその模写です。稚拙な自発画も、模写では良く改善されます。

視覚型の家の描画

 しかし視覚型では自発画に比して模写に改善はなくむしろ悪くなってしまう症例もあります。
 視覚型では九州の地図に地名を指示させるとお互いの位置は比較的保たれながら、左の空間に圧縮されたように位置します。

九州地図

 しかし象徴型では日本地図に地名を指示させてみると記憶障害が明かで、単なる位置のズレでは説明できない記憶の障害を示します。

日本地図

 時計時間の認知や描写にも同様な記憶障害や空間的な障害がみられます。
 視覚型と象徴型の時計時間の認知や描画指示に見られた症状の特徴を調べてみました。
 視覚型の誤りは数字の読み誤りか長針や短針の位置のズレに過ぎませんが、象徴型は長針と短針の取り違えなど種々の障害が見られます。


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